『ゆめおす』開所から 3年目を迎えて
8月22日、「ゆめおす」が開所して3年目を迎えました。
私たち特定非営利活動法人心澄(しんじょう)が、長崎県より「ゆめおす」を受託して、
気がつけばあっという間に2年間が過ぎていたという感じです。
この2年間、日本では子ども若者に関する様々なことが起こりました。いじめ自殺問題、体罰自殺問題など、子どもが死を選ぶまで追い詰められ、就職難が影響しているのか大学生の死因のトップは自殺です。さらに、LINEやSNSの急速な普及によりネット依存する子ども・若者が増えています。ネット依存に留まらず深刻な被害(詐欺、性犯罪、暴力事件など)を受ける子ども・若者の事件のニュースが毎日のように報道されています。
児童虐待のニュースも然り。また、生活苦の家庭で育つ子どもが就学・就労できない「貧困の連鎖」も問題視され始めました。
このような状況の中、ニートやひきこもりは増加し続け、さらに高齢化が進んでおります。
私達はこの2年間、ゆめおすで600名(家族)のご相談をご家族やご本人から受けてきました。開所当初の予想を大きく上回る相談件数に、子ども・若者がいかに生き辛い社会であるかということを実感するとともに、原因や状況、経過、環境が多様かつ複雑な相談内容も多く、問題の困難さを痛感する日々です。しかし、「相談してよかった」というお言葉を頂くことも少なくありません。
まだまだ力不足を思い知る毎日ですが、長崎県の子ども・若者支援機関・団体の方々と連携しながら、相談者の方々に寄り添いたいと思っております。
そして、少しでも「暮らしやすい長崎県」の実現に貢献したいと思います。
3年目も、勇気を持ってゆめおすに相談してくれた方々とともに笑顔になれることを励みに、スタッフ一同がんばります。
ゆめおすセンター長 中村 尊
長崎県子ども・若者相談支援機関等研修会が行われました!
こんにちは!ゆめおす相談員のながともです。今回は、7/29(月)に行われた研修会のご報告をさせていただきます。
今回は、講師として「K2インターナショナルグループ」認定NPOコロンブスアカデミー理事長、よこはま南部ユースプラザ施設長 渡辺克美氏をお招きして、「100人のひきこもりから見える若者の生きづらさ」というタイトルで行われました。
全てが、参考になり、注目に値する内容でしたが、その中からいくつかご報告させていただきます。
K2インターナショナルグループについては、HPをご覧いただければ分かるのですが、かなり多岐に渡って若者支援に取り組んでいらっしゃいます。このことについて、渡辺氏は、「成り行きでこうなった」と仰っていました。
たとえば、「子育てスポットくすくす」という乳幼児親子のための施設を運営されているのですが、この施設は、支援を行っていたメンバーが結婚して、子どもができて、子育てに悩んでいたことから作った施設とのことです。つまり、「この子のために、これを作ろう」的に広がっていったのだそうです。ちなみに、横浜市には児童館がないのだそうです。
また、同グループは、いくつもの行政との協同事業を運営されているのですが、支援を持続可能なものにするために、あくまでも「自主事業」を中心に運営されているそうです。
ちなみに、このグループのスタートは、横浜市内にある1軒のお好み屋さんなんだそうです。
同氏が仰っていた「就労支援のための店ではダメ!若者が誇りを持って働ける場所でなければならない」という言葉が、とても印象に残りました。
他、いくつもの点で、多くの気づきを得ることができた研修会だったと思います。
ゆめおすセンター長のひとこと:小6女児の自殺未遂報道を受けて
今月18日、長崎市内の小学校6年生の女子生徒が自殺を図り、現在も重症で入院中という報道がありました。一命を取りとめて、笑顔が戻られることをお祈りしております。
教育委員会の記者会見では、女子生徒が小学校5年生の時に「靴を隠される」などのイジメを受けたこと、今月初めに修学旅行で行動を共にする班でのもめごとがあったこと、そして今月7日に自ら命を断とうとしたことが伝えられました。イジメのあるなしや、その内容云々に関わらず、まだ幼さの残っているであろう子どもが、自ら死を選ぶくらい追いつめられた思いになったことは事実です。
子どもが不登校になったとき、「まさかわが子が・・・」とか、「なぜあの子が…」と思われる方が多くいらっしゃいます。子どもの自殺についても同じような思いを抱く親や周りの大人は少なくないでしょう。子どもの中には、親や周りの大人に心配や迷惑をかけたくないあまり元気に明るく振る舞う子もいます。そういう子は悩みを隠しますし、ちょっと元気がなくなったことを気に掛けられたときも「大丈夫」と答えたりします。
でも、子どもが「大丈夫」と答えたから「大丈夫」だとは限りません。前記したように、心配をかけたくないと思って(もしくは、追求されたくないと思って)「大丈夫」と答える子もいます。そんな、「本当は大丈夫じゃない子」が追いつめられてどうしようもなくなったときに、その子は苦しさから逃れる行動に走ります。周りの大人からすると突然のようですが、子どもの小さな心では、耐えに耐えた結果なのでしょう。
もし、お子さんにちょっと気になる様子が見られたら、軽く捉えずにご相談ください。
大人にとっては「それくらい大丈夫よね」と思えることでも、人生経験の少ない子どもにとっては耐え難いことかもしれません。お子さんのちょっと気になる行動を、親だけで受け止めず、ゆめおすスタッフと一緒に考えてみることで、子どもが抱える苦しみが垣間見えたり、他者からの視点による新たな気付きがあるかもしれません。
その結果、子どもの心が軽くなることもあるでしょう。
お子さんの笑顔、曇っていませんか?
支援情報~「NPO法人 フリースペースふきのとう」さんからの講座等開催案内です!!
○不登校・ひきこもり支援における アウトリーチ実践者養成講座
この養成講座は、3つの目的をもっています。
・自宅にひきこもる当事者を支援することを目指す
・積極的に相談に乗ることができない親へのアウトリーチ
・地域住民が共に育つことを目指す
【日 程】2013年8月20日(火)~21日(水)
【会 場】佐世保市労働福祉センター 2F大会議室AB(佐世保市稲荷町)
【参加費】3回講座の資料代として、1,500円(定員100名)
【応募要件】次の1と2を全て満たす方
1.精神保健福祉士、社会福祉士、臨床心理士、若者支援を担当する公務員、社会福祉協議会職員
教員、医師、看護師、民生委員、ひきこもり当事者、ひきこもり当事者の家族等
2.原則として、前回受講いただける方
【お問合せ】
特定非営利活動法人フリースペースふきのとう
TEL:0956-25-6222 FAX:0956-76-8131
http:www15.ocn.ne.jp/~furispe
E-Mail f-porepore@shirt.ocn.ne.jp
プロクラム等詳細はこちら→アウトリーチ実践者養成講座
皆さん、参加されてみてください<(_ _)>
支援情報~「NPO法人せかい卵さん」からの講座等開催案内です!!
○実践講座「事例から学ぶ気になる子への理解と対応」
子どもが本当に必要とする支援を提供するために、
「くたびれ儲け」にならないために、
不適切な言動の”要因”の視点をもって支援の方法を導き出す
実践的な講座です。
【とき】8月25日(日)10:00-16:30
【場所】新上五島町総合福祉センター
※参加料等あり
詳細はこちら→実践講座チラシ
○講演会「不登校」~子どもの気持ちと大人の関わり~
奥地圭子先生(NPO法人東京シューレ理事長)講演会
【とき】8月31日(土)12:30-17:15
【場所】新上五島町鯨賓館ホール(新上五島町有川郷578-36)
【プログラム】
第1部 講演会 自主映画「不登校なう~居場所を求める私たち」上映
第2部 懇談会
※入場無料
詳細はこちら→ 講演会チラシ
皆さん参加されてみてください!!